「今よりもっと」をカタチに。
牟田鉄工有限会社
 
 
 
 
 
 
2022/8/20

壊れた破砕機の刃を新作(スケッチ)

『破砕機の刃が壊れたので修理してもらいたいのですが』
 
と個人の方から電話を頂きました。
 
電話で内容を確認していると、
 
『現物を持ち込みます。チッパーシュレッダーに付いてる刃です』
 
と言われ、しばらくして現物の刃を持って来られました。
 
 
・・・・チッパーシュレッダー???
 
 
持って来られた破砕機の刃
かなり損傷しています(^_^;)
硬度を測定するとしっかり焼きが入っていました。
激しく損傷したチッパーシュレッダーの刃。これと全く同じに新品で製作します。
 
刃は約140角で厚みが40mmあります。
 
チッパーシュレッダー』という言葉を聞いたのは初めてだったのでどんな機械なのかを聞いたところ、
 
「伐採した木や竹を機械に投入し、細かく破砕してチップ形状にする機械」のようで、山や竹林の整備時に活躍しているようです。
 
その木材を破砕する刃がガッツリ欠けていました(^^;)
 
 
硬度がかなり上がっていた上に切断時の衝撃が常にかかるので溶接での補修は不可能と伝えると、
 
『この機械が動かないと作業が進まないので早急に新品で作って下さい』
 
との流れになり、急いで刃の材質を選定し現物をスケッチして材料を手配。
 
 
「刃」になるので木材を砕くとはいえそれなりの硬度が必要になり、実際現物の刃も硬度は結構上がっていました。
 
 
今回のように図面無しの現物対応の場合、材質から硬度から寸法から
 
「全て自己責任」
 
となり、特に損傷が激しく原型が分からない時は現物を参考にしつつ使っている状態を詳しく聞き、色々な角度から情報を得てから判断することも多いです(^^)
 
 
材料到着後、早急に
 
機械加工⇒焼入れ(熱処理屋さん)⇒刃部手入れ
 
を行い無事に刃は完成しました(^^)/
 
 
完成した破砕機の刃。
焼入れ硬度は現物同様にしました。
現物をスケッチして製作したチッパーシュレッダーの刃。
 
 
切断部分(写真では右上角部)は刃になるよう、
丁寧に手入れ研磨。 
新作したチッパーシュレッダーの刃の切断面をダイヤモンドヤスリで丁寧に手砥ぎ。
 
 
完成後、お客様に連絡するとすぐに引き取りに来られ、
 
『対応してもらって助かりました。ありがとうございます!』
 
と喜んで頂きました(^^)
 
こちらも機械の修理業者として牟田鉄工に声を掛けて頂きありがたかった今回の修理でした(^^)