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牟田鉄工有限会社
 
 
 
 
 
 
2022/1/21

エアーシリンダー台車修理⑤フランジ付き回転軸修正

今回修理している機械装置は台車の上で回転台(下の写真)が回っている構造になっているのですが、その回転台の中心軸も傷んでいたので修理しました。
 
この他にも修理対象の1つであるエアーシリンダーは、この回転軸が入るベアリングケースを上下に上げ下げする役割を持っています。
 
 
台車の上で回る回転台。
中心にあるフランジ付き軸がベアリングに入って台を回しています。
エアーシリンダーを利用して上下している回転台の中心軸が予想通り傷んでいました。
 
現状確認すると、軸が摩耗でガタガタになっていてベアリングとのギャップができていました。
 
そこで最初は、
 
軸を前加工⇒肉盛⇒仕上げ加工
 
の流れで修理して本来の寸法にする予定でしたが、材質を現物から確認したところ肉盛が不向きな材質という事が判明しました。
 
肉盛り修正する方法ではダメだ!!となったので、どうすれば良いかを社長と色々考えた結果、
 
軸を焼き嵌めしよう!!
 
との結論になり、今回はその方法で修復しました(^^)
 
 
他にも現物の修復は諦めて新規で一から作り直す方法も一瞬考えましたが、 
 
・かなり大きい素材が要る=材料代が余計にかかる
・旋盤加工量もその分多くなる=加工時間が余計にかかる
・フランジ側の穴加工も必要=  〃
・そもそもフランジ自体は傷んでいない=活かさないともったいない
 
と、どう考えても必要以上に金額が掛かってしまうので作り替え案は一瞬で却下しました。
 
仮に損傷が全体的に激しいとの状況だったなら上記の方法も選択肢に入って来ます。
 
修理では常に状況を見ながらケースバイケースでの判断力・対応力が求められます(^^)
 
 
フランジに付いていた軸を削り落とし。
ここに新しく製作する軸を焼き嵌めします! 
フランジに付いていた軸を丸ごと削り落とし。
 
軸も新規に製作。
 
軸の材質には抜群の安定感を誇るSCM材の熱処理品を使用して現物以上の強度アップを図ります。 
 
 
軸を製作。
焼き嵌め代は独自に設定し、確実に確保
できるよう丁寧に加工。
焼き嵌めする軸を用意。穴をシリンダーゲージで測定しながら焼き嵌めするタイミングを図ります。
  
パーツが揃ったので、
 
 
 
いざ焼き嵌め開始!!! 
 
 
 
毎回緊張する瞬間ですが・・・無事にスポッと組めました(^^)/
 
 
大きい小さいに関係なく焼き嵌めは何度行っても独特の緊張感がありますね(^^;)
 
 
フランジにビタっと軸が入りました!
効き代も丁度良い感じだったので、軸を動かそうとしても
ビクともしませんで(^^;)
無事に軸の焼き嵌め完了!かなり丈夫に生まれ変わりました!
 
しっかり焼き嵌めできたのでまず緩む心配はないのですが、念には念を入れてセットボルトを軸とフランジの境目に打つ事にしました。
 
色々なパターンでの修理ができるというのも牟田鉄工の強みの一つです(^^)/ 
 
次はエアーシリンダーのピストン関係を修理していきます!