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牟田鉄工有限会社
 
 
 
 
 
 
2021/10/10

モーター軸(ヘリカルギア)修理⑤恒温乾燥器のお手並み拝見!!・・・のはずが!!?

モーター軸と回転子との焼き嵌めや、高周波焼入れしたヘリカルギア(はすば歯車)と軸との焼き嵌め用に購入した『恒温乾燥器』。
(※機種の名前は『無塵乾燥器 DE42』) 
 
早速その実力を発揮してもらおうと思い電源を入れたのですが・・・・
 
 
 
今回購入した、『無塵乾燥器 DE42 (ヤマト科学㈱製)』
大きさは冷蔵庫と同じ位です。 
新しく牟田鉄工の仲間入りした恒温乾燥器(DE42)
 
電源ON!!
 
 
!!!!?
 
 
何この音!!!!?
 
 
ガランガラン、ガランガラン・・・・と言う、金属同士が当たる音が電源ONと同時に出て、しかもずーーーーっと鳴っていたのです。
 
それも高速かつ結構な音の大きさで、かなりうるさい(^^;)
 
 
実は中古で購入する際、
 
『モーターのファン付近から音が出る。少し調整すれば問題ないと思われる。』
 
という文言があったのですが、それがこの音でした。。。
 
 
この音を社長(牟田淳一氏)が聞いたら即答で、
 
『(モーターの)ベアリングが悪い!』
 
と指摘したので急いで修理することにしました。 
 
 
異常音がした恒温乾燥器を分解して行きます。
カバーを外すとヒーターが出てきました。 
恒温乾燥器を順番に丁寧に分解。
 
 
ヒーターの下にある送風用のファンを取り外し。
ファンを触っているとモーターの軸がガタガタ動いているのが分かりました。 
恒温乾燥器の送風ファンがガタガタしていましたが、このファンが悪いのでしょうか??
 
 
取り外した送風用ファン(下のカゴ)と羽根(上)。
これらに損傷は見られませんでした。 
取り外した恒温乾燥器の送風ファン。特別な損傷は見られません。
 
やはりモーターのベアリングが怪しいです。
 
そのままモーターの取り外しにかかります。 
 
 
固定のボルトを外して配線を切りモーター取り出し。
軸がガタガタしてます(^^;)
怪しいですね。
特殊なモーターを取り外して分解開始!
 
次は取り出したモーターを分解して行きます。
 
モーターは特殊な軸・回転子・ケース・カバー・ベアリングなどで構成されていて、分解自体はスムーズにできました。
 
 
モーターを分解すると軸・回転子・ベアリング等が出てきました。
恒温乾燥器の特殊なモーターを分解すると全貌が見えてきました。
 
ここで一番怪しかった『ベアリング部分』を確認したのですが、やはり!ベアリングが入るケースがかなり甘くガタガタでした。
 
 
問題のベアリングケース。
触るとハッキリ分かる位に穴がガタガタになってました。 
モーター修理あるあるの一つで『ベアリング穴の消耗』がここでも起きていました。
 
シリンダーゲージで内径を測定すると、通常はベアリング径±0.01mm位ですが、現物は+0.45にもなっていました(^^;)
 
実はモーター修理の中でベアリングケース部の修復割合は多く、モーターの構造によってはどうしても傷みやすい部分になります。
 
 
内径をシリンダーゲージで測定。
これではベアリングが落ち着かないはずです。 
モーターのベアリングケースを測定すると内径がかなり甘くなっていることが数字で正確にわかりました。
 
モーターケースを組んだ時に軸がかなりガタガタしていた理由はやはりココでした。
 
このままではベアリングを新品に取り替えても全くの無意味で、ケースを修復するしかありません(^^;)
 
という事でケースを修復加工して行きます(^^)/