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牟田鉄工有限会社
 
 
 
 
 
 
2021/10/4

モーター軸(ヘリカルギア)修理④恒温乾燥器が仲間入り(^^)/

今回のモーター軸の修理に合わせて特殊な機械が一台、牟田鉄工に仲間入りしました(^^)/
 
それは、
 
『無塵乾燥器 DE42』 ヤマト科学㈱製
 
という機械で、『恒温乾燥器』『定温乾燥器』とも呼ばれ、簡単に言うと『加熱炉』で、見た目は冷蔵庫みたいなカタチをしています。今回中古で購入しました。
 
 
庫内の温度を高温(この機種はMAX260℃)で均一に加熱&保持する事ができるのに加え、熱処理炉のように設定温度のキープ時間設定や、そこから更に別の設定温度まで温度上昇や下降もでき、そのキープ時間なども自由に変更する事ができる機能が付いています。
 
主に半導体関係で、電子部品をプリント基板に取り付けた状態で恒温乾燥器に入れてはんだ付けを完了させるという使い方をしているみたいです。 
  
 
今回仲間入りした『恒温乾燥器』(^^)/
高さは人の背丈程でパッと見は冷蔵庫です。 
ヤマト科学㈱製の無塵乾燥器:DE-42を購入。
 
 
ドアを開けたらこんな感じです。
かなりキレイな状態です。 
購入した無塵乾燥のDE-42は元々半導体関係の職場で使用されていただけあって状態はかなりキレイです。
 
モーター軸の修理なのに何で恒温乾燥器???
 
となる方もいると思いますが、実はこの機械、今回のモーター軸修理をする際に是非とも仲間になって欲しい機械でした(^^)
 
 
過去、小さいモーターから大きいモーターまで様々なモーター軸を修理して来ましたが、最後は必ず軸と回転子(ローター)を焼き嵌めする作業が入ります。
 
その作業は冷間だと絶対に圧入できないので、回転子をバーナーで軽く加熱して軸を圧入していました。
 
 
『じゃぁ今回も今までと同じようにしたらいいじゃん??』
 
となる所ですが、今まで修理したモーター軸と大きく違う所があります。
 
それは、モーター軸とは別に『軸付きギアがある』という所です。
 
 
現物の軸付きギア。
今回製作分は軸とギアを焼き嵌めします。
今回現物をスケッチして製作する軸付き歯車。はすば歯車。
 
このタイプも最後に歯車と軸を焼き嵌めするのですが、今までと同じ方法での焼き嵌めとなると、当然歯車の方をバーナーで加熱し、後から軸を入れる作業になります。
 
この加熱が問題で、ギア部は硬度を上げる為に高周波焼入れをしているのでバーナーで火を当てる(当て過ぎる)と『焼きが戻る(なまける)』恐れがあるのです! 
 
そこで、250℃位で均一に長時間加熱でき、保持時間も簡単に設定できる恒温乾燥器を使えば焼きが戻る心配もしなくて済みます(^^)
 
通常の焼き嵌めをする際の加熱温度として250℃は十分な温度で、また250℃は人間にとってはかなりの高温ですが、鉄の世界では低温の部類で到底焼きが戻るような温度では無いので安心して使える上に温度も時間も数字として管理できるというのはとても心強いです(^^)
 
また、軸付きギア同様にモーター軸の焼き嵌めでも使う事ができるので、恒温乾燥器で回転子と歯車を一緒に加熱してそれぞれで焼き嵌めを行いたいと思います(^^)/