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牟田鉄工有限会社
 
 
 
 
 
 
2021/9/27

モーター軸(ヘリカルギア)修理①スケッチ&寸法測定

モーター軸の修理(軸の製作及び抜き替え)依頼』をお客様から頂きました(^^)/
 
 
牟田鉄工では過去に色々なタイプの特殊モーター軸(両軸モーター)の製作&抜き替えを行って来ましたが、今回は今まで以上に難易度の高いものになりました。 
 
と言うのも『ヘリカルギア(はすば歯車)』が片方の軸端に付いていたのです! 
 
また図面無しのパターンだったので、現物を測定しながら自力で全て設定していくしかありません。
 
 
修理依頼を受けたモーター軸。
はすば歯車部分を丁寧に測定していきます。 
両軸モーター。焼入れしたヘリカルギア付きの現物を正確にスケッチ。
 
 
外径、モジュール、ねじれ角、等を測定して行きます。
が!歯車がかなり消耗しているので測定に苦労します(^^;)
写真は3点マイクロメーターで外径測定中。 
はすば歯車の部分がかなり消耗して傷んでいます。
 
 
相手の軸付きギアも新作する事に。
モーター軸同様にヘリカルギアになっています。 
ギア側もモジュール,外径,ねじれ角等を丁寧にスケッチ。 
 
歯切りは牟田鉄工では加工できないので、歯切り前加工した素材を歯切り屋さんに渡して歯を切ってもらうしかないのですが、歯切りのデータはこっちで設定しないといけません。
 
 
現物の歯車部分を丁寧に測定し、
 
『各数値、大体この位の設定で行けそうだな!』
 
の状態まで決めれたとしても、絶対に必要な作業があります。
 
それは・・・『ピッチの測定』です!!
 
 
歯車を修理する時、正式な図面がある場合は別ですが、現物を見ながらスケッチの場合はこの『ピッチ』がめちゃくちゃ大事になります。
 
と言うのも、設定した数値通りに歯切りできたとしても、組み込んだ時の歯車同士の中心間距離(ピッチ)が遠過ぎると噛み合いがガタガタになったり、逆に近過ぎると嚙み合いがギチギチになったり歯と歯が当たってそもそも組めないという現象が起こってしまいます。
 
そうならないように歯車自体に『転位』をさせます。
(プラス転位、マイナス転位)
 
※実は『転位』している歯車はかなり多いです! 
 
 
歯車が入る部分のお互いのピッチを予め正確に測定する事ができれば、転位の設定も楽になるのでピッチ測定作業が絶対に必要となります! 
 
 
歯車と歯車のピッチを測定中。
ダミーの軸をそれぞれ製作し、ギアボックスに組み込み。
ノギスやマイクロメーターを使ってピッチを正確に測定。 
ギアボックスにダミー材を入れ込んで歯車同士のピッチを製作に測定。
 
 
作るのはモーター軸とギア軸の各1組だけですが、
求められる要素はかなり多いです。 
修理依頼を受けたモーター軸をスケッチする為にかなりの道具が必要です。
 
機械の修理や改造には常に『自己責任』が伴い、設計が悪いと動かなかったり組めなかったりします。
 
また機械要素に対する幅広い知識も常に求められ、その対応力が牟田鉄工の強みになっています(^^)
 
今回も難易度の高いミッションになりましたが、知識・経験をフル活用して挑みたいと思います!