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牟田鉄工有限会社
 
 
 
 
 
 
2021/5/8

GW中に大至急でポンプの不具合対応①分解&スケッチ

ゴールデンウイーク中、大至急でのポンプ不具合対応をさせて頂きました(^^)/
 
 
内容は、
 
『ポンプをオーバーホール中、古い分と取り換えた新品の羽根が奥まで入って行かずに途中で止まって困っています!軸も曲がっているようです。早急に対応して欲しいのですが、対応可能ですか?』
 
というもので、お客様から5/2(日)の昼過ぎに電話を頂き、『対応可能です!』との返事をすると現物を持って来られました。
 
お客様が他所に問い合わせたところ、『連休明けに確認してそれからの対応になります』との回答だったようで、早急な復旧が絶対条件だった為、弊社に連絡を頂きました。
 
 
実は牟田鉄工ではこういった連休中に突発対応の依頼を頂く事はちょくちょくあり、可能な限り対応させて頂いております。
 
大型連休中に現場ラインが止まるタイミングで設備のオーバーホールを行うお客様も多く、その際、
 
何らかの問題が発生⇒突発対応が必要⇒弊社に声を掛けて頂く
 
といった流れで、一刻も早い対応が求められる状況においてはお客様からその対応力を高く評価して頂いております(^^)
 
 
今回は食品関係の製造機械になり、ポンプが無いと製造がストップしたままで一刻も早い復旧が求められていた案件になるので急いで取り掛かりました!
 
 
持ち込まれたポンプ。
軸受部(右)と吸込み・吐出部(左)になっています。 
 
 
 
取り替えた新品の羽根が途中で止まって全く動かない状態で持ち込まれました。
 
この羽根を外すのにめちゃくちゃ苦労しました(^^;)
 
材質はステンレスで、食品関係なので恐らく『SUS316L』だと思われます。
 
 
ステンレスは”かじれ易い”上にポンプの中が全く見えないので内部の構造を色々推測しつつ、かじれにも常に気を付けながら様々な方法を試してどうにか無事に取り外す事に成功しました(^^)/
 
外してしまえば、『なるほどね。そういう事ね。』となるのですが、何も情報が無い状態では頭フル回転で対応するしかありません(^^;)
 
 
何とか外せたポンプの羽根。
軸端が入る部分が傷んでいました。 
 
 
ポンプの軸端。外径が傷んでいます。
また、ダイヤルゲージを当てて軸の振れ検査をしたところ振れていました。 
 
軸が傷んでいる上にポンプ稼働中は軸が高速回転するので振れは厳禁であるため、新規に軸を製作する事になりました。
 
 
一先ずこの状態まで分解完了。
とにかく羽根が外せなかったという事で、復旧に向けて一歩前進です!
 
軸を新作することが決まったので、翌日更に分解して行きました。
 
 
減速機側に付くカップリングを分解。
プーリー抜きを使って取り外します。 
 
また、羽根自体に振れが無かったのかの確認作業を旋盤上にて実施。 
 
結果は古い羽根も新品の羽根も振れはありませんでした(^^)
 
 
羽根の振れ検査を旋盤上でダイヤルゲージを使って実施。 
 
取り外した軸に付いていたカラーやベアリングを取り外すのですが、このベアリングが結構効いてました(^^;)
 
 
軸に取り付けられている付属品を取り外します。 
 
軸の分解を終えると、軸のスケッチに取り掛かります。
 
軸の形状と加工精度や構造から設計者の意図を読みつつ、現物と全く同じに製作できるように丁寧に寸法を取っていきます。
 
 
完全に分解できた軸。
これを丁寧にスケッチします。 
 
スケッチを終えると連休中の対応としては一先ずここまでになります。材料屋さんが休みの為です(^^;)
 
急いではいますがこればかりはどうしようもありません。
 
 
普段使う材質のものであれば弊社で色々とストックをしているのですぐに加工に取り掛かれますが、今回の様に特殊な材質(SUS316L)だと新規で手配するしかありません。
 
※スケッチをしている時にお客様から正式に、『材質はSUS316Lでお願いします』との連絡を頂きました。
 
連休明けに速攻で材料屋さんに材料を頼み、すぐに入手できるよう祈りつつ(近くに無ければ大阪送りになるので一気に納期が掛かってしまいます)、入荷後の臨戦態勢に入ります(^^)/