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牟田鉄工有限会社
 
 
 
 
 
 
2021/3/13

勾配キー溝加工(スプロケット)

『穴径と勾配キーをスプロケットに加工して欲しい』
 
との依頼をお客様から頂いたので加工しました(^^)
 
 
スプロケットの内径とキー溝(頭付き勾配キー用)を加工します。
 
 
勾配キー???
 
 
まずはその前に。
 
モーターなどからの駆動力を動作部に伝える為に、プーリーやスプロケット、カップリング等を使いますが、それらが回転軸にしっかり固定していないと空回りして力が伝わりません。
 
その固定方法として平行キーなどのキーを使ったり、焼き嵌めをしたり、パワーロックを使ったりなど色々ありますが、今回の加工はキーを使うタイプのもので、そのタイプでも『勾配キー』というキーを使うものです。
 
 
勾配キーは穴径側のキー溝深さに1/100の勾配(縦長さ100mmに対し深さが1mm付く)を付け、使う頭付きキーも同じく1/100の勾配が付いていて、キーの頭をハンマーで叩いて打ち込むとその勾配同士がビシャーッ!!と合わさり軸に強烈に固定されます。
 
外そうにももう外せない位に固定されるので、駆動に強い負荷が掛かる場合に使われています。
 
筆者も勾配キーを色々と外して来ましたが、勾配キーがしっかり打ち込まれたプーリー等を外すのにすんなり行った記憶は無く、何とか必死に外してして来た記憶しかありません(^^;)
 
 
勾配キーは平行キーにない特徴を持ち、旋盤で穴径を仕上げた後、キー溝深さ方向に1/100の勾配を付けるための加工をブローチ盤で行います。
 
 
ブローチ盤にスプロケットと勾配加工用のやといをセット。 
ブローチ盤で勾配キー加工を行う為の段取り。
 
 
キー溝加工直後。底の深さを慎重に合わせています。 
ブローチ盤で勾配キー加工実施。
 
 
加工後に測定したらきちんと1/100の勾配が付いていました(^^) 
スプロケットに内径と勾配キー溝加工を行いました。
 
キー溝は勾配が1/100付くので、ブローチ加工で深さが0.1mm入り過ぎるとキーの長さ方向は10mm進む計算になります。多少は薄いシムで調整できますが、最初の加工時点で狙った深さにしっかり合わせることが大切になって来ます。
 
牟田鉄工では色々なサイズの勾配キー加工を行っております(^^)/