「今よりもっと」をカタチに。
牟田鉄工有限会社
 
 
 
 
 
 
2020/12/2

アンギュラーカッター(φ130x45°)製作①素材準備

お客様から、『大型のブラケット製作依頼』を頂いたのですが、図面に45°の溝加工が記載されていました。
 
 
こんな加工です↴。角度が45°で、溝の段差が30mmあります。
45°のアリ溝加工には特殊な工具(アンギュラーカッター)が必要。
 
この加工を弊社でする場合は『アンギュラーカッター』という工具を使います。
 
 
アンギュラーカッターはこんな工具です↴
一般的なサイズのアンギュラーカッター。
 
溝の角度が60°だと大きいサイズも持っているのですが、45°で、しかもこのサイズは弊社には存在しません。
 
ちなみにアンギュラーカッターのサイズは、ツカミの径と加工深さを考慮すると、刃底の外径で最低φ110mmは必要となります。
 
大きいですね(^^;)小さな45°は持っているのですが・・・。
 
じゃぁ思い切って買おう!
 
となって色々調べてみたのですが、すぐに手に入るものは見つかりませんでした(^^;)
 
と言うのも既製品でそのサイズは売っていなくて、受注生産になるみたいです(^^;)
 
 
困ったな・・・・
 
 
受注生産になると工具待ちに時間がかかって納期が絶対に間に合わない!!
 
 
 
 
・・・・・!!!
 
 
 
 
よし!作ろう(^^)!!
 
 
 
ということで、アンギュラーカッターを製作することにしました!!(^^)/ 
 
 
材質:高速度工具鋼(SKH51)=ハイス
外径:φ130
角度:45°
刃先:R2
刃数:16枚
個数:2ケ
 
で行きます!
 
 
ハイスの材料を購入し、カッターの素を旋盤加工+キー溝加工。 
アンギュラーカッターの素材。SKH51(ハイス鋼)。
 
 
ツカミの部分も旋盤+キー溝加工。 
アンギュラーカッターに付けるツカミ。クロモリの調質鋼。
 
最初はカッターの剛性の点から一体物で作ろうと考えましたが、『平行キーでも充分持てるだろう』という点と、『分割式にした方が後々楽になるのでは?』という点から分割式にしました。
 
更にその方が材料費も安く済みます。ハイスはお高いので(^^;)
 
ツカミ部分はクロモリ鋼SCM435の調質材を使用。
 
 
ツカミとカッター本体を組込み。
アンギュラーカッターとツカミを組込み。
 
 
これから刃にするための加工を入れて行きます(^^)/ 
上手くいって欲しい!!自作のアンギュラーカッター。
 
 
一見、ただ部品同士を組んだだけのものですが、この部品を刃物にするためにこれから色々な加工を入れて行きます!
 
 
ちなみに、45°溝を現在の弊社の設備で加工するとどうしても、
 
『フライス系統の機械で工具はアンギュラーカッター』
 
になるのですが、数年前までは、
 
『プレーナー(平削り盤』
 
という機械が存在していました。
 
テーブルが幅1m、長さ3m、ストローク3mもあり、今回のような長い溝やテーパー加工を得意とする機械で、そのような加工がある時は角度を調整し、工具も1本バイトを付け替えながらのお手軽さで大活躍してくれていました。
 
しかし今は無いので、この自作アンギュラーカッターを使える刃物にしてなんとしてもカタチにするしかありません(^^)