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牟田鉄工有限会社
 
 
 
 
 
 
2020/10/28

『トラニオン』製作(油圧シリンダー用)

『トラニオンが壊れているので作ってもらえますか?』
 
とお客様がトラニオンの現物を持ち込まれました。
 
話を聞くと急いでいるとの事。 
 
早速現物を確認してみると、結構大きなトラニオンで、両サイドに付いた軸の部分が片方完全に割れていました。
 
 
トラニオンの現物。結構大きいです。  
油圧装置で活躍するトラニオン。
 
 
片方の軸の部分が完全に割れています。 
トラニオンの軸が壊れているの為、新品のトラニオンを製作。
 
トラニオン???
 
と聞きなれない方もいると思いますが、イメージで言うと、
 
「移動式の大砲」で、砲塔の中心付近に付き、左右に軸のような物が飛び出ている物で、
 
砲弾の発射角度を決めるときにトラニオンの軸が支点になって角度を上下する。
 
そんな役目をするものです(^^)
 
 
↓移動式大砲のイメージ。
トラニオン構造の移動式大砲。
 
このトラニオンは油圧装置の中でシリンダーチューブと組み合わせてよく使われていて、シリンダーの伸び縮みに合わせて装置全体の角度が変化するような構造で活躍しています。
 
 
今回もその構造になっていて、トラニオンとシリンダーチューブを組み合わせて使います。
 
 
トラニオンに入る相方のシリンダーチューブ。 
油圧装置部品のシリンダーチューブ。
 
トラニオンの大きさから想像はしていましたが、やはり大きいです(^^;)
 
 
チューブの外径に合わせてトラニオンの穴径を加工します。 
現物のシリンダーチューブに合わせてトラニオンを加工。
 
今回の修理は、
 
 
①トラニオンをスケッチ
②材料手配
③フライス加工
④旋盤で両軸を加工
⑤最後に穴径仕上(チューブ外径合わせ)
⑥トラニオンとチューブを組み合わせて完成
 
の手順で行います(^^)
 
 
 
早速トラニオンをスケッチして材料を手配します。
 
材料入荷後、フライス加工をして(写真撮り忘れ・・・)、旋盤加工。
 
 
 
 
フライス加工後の旋盤加工。両軸部分を削ります。 
汎用旋盤でトラニオンを加工。
 
旋盤加工完了後、トラニオンが入るチューブの外径をマイクロメーターで測定し、お客様指定のクリアランスに合わせてトラニオンの穴径を仕上げ加工。
 
 
仕上がったトラニオン。 
全加工が完了した新品のトラニオン。
 
職人さんが汎用旋盤と汎用フライスで気合を入れて加工してくれました(^^)
 
トラニオン完成後、チューブに組み込み無事完成しました!
 
 
チューブにトラニオンを組み込み、完成! 
トラニオンとシリンダーチューブを組み込み。クリアランスはバッチリです!
 
クリアランスも丁度良い勘合でバッチリでした(^^)
 
急ぎの仕事でしたが今回も無事に任務完了できて良かったです!