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牟田鉄工有限会社
 
 
 
 
 
 
2020/7/4

電極用の銅リング修正加工依頼

コンクリート二次製品の製造設備に使われている溶接用の銅電極。
 
形はリング状で、中にボスが入り、ギチッとした勘合で組み込んで使われるものです。
 
 
その銅電極ですが、お客様から、
 
「銅のリングがボスに入らないので、入るようにできますか?」
 
との相談を頂いたので対応させてもらいました。
 
 
様子を聞いてみると、銅リングを古い物から新しい物に取り替えようとしたところ、変形があってどうしても入らないとのこと。 
 
 
電極となる銅のリング(新品) 
支給された銅電極のリング。
 
 
もともと使われていた銅リング。
これをギチッとした勘合でボスと組まれていました。 
古い銅電極とその中に入るボス。
 
銅リングがボスに入らない原因はすぐに見つかりました(^^;)
 
 
新規に作った銅リング。
 
内径のRの大きさが不均一、かつ、楕円になっている。
 
でもそれ以上に、寸法を測定してみると根本的に内径の絶対値が小さく、キレイなRと真円度であっても入らなかったのです(^^;)
 
材料を切断する際の長さが短かったのではないかと思われます。
 
 
 
対処としては、
 
①不均一な内径のRをキレイなRに歪み取り修正
②楕円を取り除く
③小さくなっている内径をボス径に合わせ修正加工
 
という方法を取ります(^^)/
 
 
内径のRを修正する装置を製作(^^)
油圧ジャッキを利用してRゲージに合わせて目視で丁寧に取っていきます。
油圧ジャッキを上手く利用して銅電極の歪み取り装置を設置。
 
 
外側押しと内側押しを細かく繰り返してR形状に仕上げます。 
油圧ジャッキを使って綺麗なR形状に歪み取り。
 
Rと楕円の歪が綺麗に取れたら、マシニングに乗せて内径を加工して行きます。
 
リング自体が薄くて押えすぎるとリングを変形させてしまう為、テーブルに固定する際の力加減に気を遣います(^^;)
 
加工代は少しで、ボス径にギチッとした勘合で組む必要があるので、常に確認しながらの加工になります。
 
 
マシニングに段取りして穴加工。 
銅電極のリングをマシニングに段取り。
 
 
ボス径にギチッと組み込まれる寸法で加工できました!
内径が大きくなったらアウトなので、気を遣います(^^;) 
内径の修正加工が完了した銅電極のリング。
 
 
ボスに組み込み完了!
確実にギチッと組めたので一安心です(^^)
修正した銅電極のリングをボスにガチっと組み込み。
 
形状はシンプルですが、色々と気を遣う加工内容でした。
 
今回も無事にミッションクリアできて良かったです(^^)