2023/9/18
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シャーリングの押さえ装置修理 |
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『シャーリングの製品押さえ部分が傷んで動かないので修理して欲しい』 との依頼をお客様から頂いたので早速現場へ確認に向かいました。 現場で現状を確認すると今回のシャーリングは中型サイズで、押さえの部分4ヶ所で製品を押さえる構造になっていましたが、バネガイドピン、ガイドブラケット、押さえ板、バネ、ネジ穴の全パーツがかなり傷んでいました。 長年の使用と常に切断時の振動がかかる中での動作ということもあって、タイミング的にオーバーホールの時期を迎えていたようでした。 現場で取付けの状況やピッチをそれぞれ測定し、全てのパーツを一旦持ち帰って一通りスケッチする事にしました(^^) 現場で確認したシャーリング。 写真は押さえ装置を分解途中の状態。 ほぼ全てのパーツが交換の時期を迎えていました。 バネガイドピン。 振動と摩耗でかなり消耗していました。 新作してバネ受けも改良します(^^) ガイドブラケット。 バネガイドピンが通る穴が極端に広がっています。 バネが当たる面もかなり傷んでいます。 現物全パーツをスケッチして、新作するパーツ、現物を活かすパーツ、それぞれ加工を進めます(^^)/ ガイドブラケットは現物を活かして補修します。 通りを確認後、全てのガイド穴を溶接で完全に埋めてしまいます。 ガイドブラケット加工中。 スケッチした寸法を参考にして 取り付けられていた状態と全く同じ状態に再現します。 この他に、 ・押さえ板:硬い材質で新作、 ・バネ:新作(外注)、 ・バネ受け兼ロックナット:材質と形状を工夫して新作、 等々、現物通りの新作や改良しての新作を行い部品を揃えました。 出来上がった各パーツ。 左:ガイドブラケット 中央:バネガイドピンとナット 右:バネ、座金 押さえ板。 現物がかなり傷んでいてピッチが分からなかった為、 最初に現場でスケッチした取付ピッチを重視して 穴ピッチを決めました。 各パーツ完成後、お客様の現場に持ち込むとすぐにお客様が取付け&試運転を行いました。 そうして試運転開始直後、お客様が第一声、 『良い!!!全然違う!!!』 と言われたのを聞いて一気に安心しました(^^) 簡単に復旧したように見えるかもしれませんが、今回の現場は取付ピッチが現物合わせで作られている部分も多く、適当に『この位だろう』で製作してしまうとぎこちない動きになって短時間でまたすぐに傷む可能性もありました。 なので、修理の基本中の基本、 『現物通り』 を大事にし、機械がどんな動きをしているかイメージしながら修理のポイントを押さえて今回は修理したのですが、無事スムーズに動いてくれてお客様にも喜んでもらえて良かったです(^^) これからもお客様の立場に立った修理・改造ができるよう精一杯頑張ります(^^)/ |
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