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牟田鉄工有限会社
 
 
 
 
 
 
2020/11/26

高周波加熱用のコイル製作※大至急!!

『高周波加熱用のコイルが傷んで使えないので大至急製作して欲しい!!装置が止まって困ってます。。。』
 
とお客様から連絡を頂いたので大急ぎで製作しました(^^)
 
 
まずはお客様の元に現物を引き取りに行きます。
 
現物のコイルは2種類(丸と長丸)で、一つずつ。
 
持ち帰り後確認してみると、丸・長丸の両方とも銅パイプの途中で小さい穴が開いていてました。
 
現物の丸型コイル。胴中を見てみると・・・
傷んだ高周波加熱用のコイル。
 
 
白ペンで丸を書いている部分に小さな穴が開いています。
(ちょっと見えづらいですが・・・^^;)
高周波加熱用のコイルの胴中に小さい穴が!!
 
ちなみに長丸の方はと言うと・・・
 
 
現物の長丸タイプ。
長丸の高周波加熱用のコイルにも小さな穴が!!
 
 
長丸の方は、ハッキリと開いた穴が見えました。
超高温に加熱されるコイルに小さな穴が開いてます。
 
この銅パイプは使用時に超高温になるので、パイプ自体が溶けないよう常に冷却をする必要があります。
 
その冷却用の水がパイプの中を通っていて、パイプに穴が開くとそこから水が漏れて使い物にならなくなります。
 
消耗品と言えば消耗品なのですが、とにかく急いで修復するしかありません!!
 
 
まずは銅パイプの材料を材料屋さんの所に大急ぎで取りに行きます。
 
つぎに現物を分解。
 
傷んだコイルの部分と足の部分をそれぞれ取り外し、損傷の無い足の部分は手入れして再使用します。
 
 
コイルと足を分解。長丸の方も同様に。
高周波加熱用の傷んだコイルの現物を分解。 
 
分解が終わると、次に銅パイプを現物通りに曲げていきます!
 
簡単そうに見えますが、現蚋通りにコイルを巻く作業は意外と技術が必要になります(^^)
 
 
新しいパイプをコイル状に曲げ。 
急いで引き取りに行った銅パイプをこれまた急いでコイル状に曲げ加工。
 
長丸の方も同様に曲げます。
ちなみに、曲げるのは長丸の方が難易度が高いです(^^;) 
 
 
長丸コイルの曲げ完了。
高周波加熱用のコイルの長丸タイプを現物通りに曲げ加工。
 
コイル曲げが完了すると、次はセッティングです!
 
現物に付いていた足を手入れし、ピッチ等を合わせ、先程の曲げたコイルをその足に合わせます。
 
この足とコイルとの合わせ面は現物合わせになるので、キレイにドンピシャで合わせる作業に多くの時間がかかり、難しい作業です(^^;)
 
 
足とコイルの繋ぎが上手く合いました! 
高周波加熱用コイルの銀ろう付け前のセッティング完了!
 
セッティングが完了したら、いよいよ『銀ろう付け』でっす(^^)/
 
銀ろう付けは、銀ろう棒がかなり高価なので、極力少しの量で、だけど水漏れの無いようしっかり丁寧に付けていきます。
 
ちなみに銀ろう付けは『ガス溶接』になり、ガスで炙りながら色の変化等で溶け具合を判断しています。
 
筆者はこの方法を約10年前に会長(牟田憲一氏)から伝授してもらいました(^^)
 
 
銀ろう付け用のフラックスと銀ろう棒です。 
銅パイプ同士の接合には銀ろう棒とフラックスを使い、ガス溶接である銀ろう付けを行います。
 
銀ろう付けが終わると、コイルに付いたゴミ等を除去し、水が漏れていないかの水漏れチェックを行います。
 
 
ろう付け、手入れ、水漏れチェックが終わり完成したコイル。 
完成した高周波加熱用のコイル。
 
 
銀ろうが良い感じにしっかり付いてます(^^)/ 
完成した高周波加熱用コイル!
 
大至急でのコイル修理でしたが、最短で納品でき、お客様に喜んで頂きました(^^)
 
このような修理対応も最短即日で行っております(^^)